現場からの目線で解説したいと思います。
「こういうのが欲しかった!」
全国1730の医療機関を実名で比較・分析できるDPCベンチマークツールを
当サイト内で無料配布中!
新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その9)
1.外来における対応について
1.外来における対応について
新型コロナウイルス感染症であることが疑われる患者に対し、必要な感染予防策を講じた上で実施される外来診療を評価する観点から、新型コロナウイルス感染症患者(新型コロナウイルス感染症であることが疑われる者を含む。以下同じ。)の外来診療を行う保険医療機関においては、当該患者の診療について、受診の時間帯によらず、診療報酬の算定方法(平成20年厚生労働省告示第59号。以下「算定告示」という。)B001-2-5 院内トリアージ実施料を算定できることとすること。なお、その際は、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き・第1版」に従い、院内感染防止等に留意した対応を行うこと。
また、新型コロナウイルス感染症患者に対してのみ院内トリアージ実施料を算定する保険医療機関については、特掲診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第63号)第三の四の四に規定する施設基準を満たしているものとみなすとともに、第一に規定する届出は不要とすること。
引用元:中央社会保険医療協議会 総会(第453回)資料より 一部抜粋
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00068.html
外来で新型コロナウイルス感染症の患者(新型コロナウイルス感染症であることが疑われる者を含む、以下同じ)を診察する前に、院内感染防止等に留意した対応を行えば院内トリアージ実施料を算定できるとのことです。
院内トリアージ実施料とは
2012年度の診療報酬改定で新設されました。
目的は重症の患者さんが優先的に受診できる仕組みの一層の推進を行うことです。
時間外に来院された初診の患者さんに対して、来院後速やかにあらかじめ定められた院内トリアージの実施基準に基づいて院内トリアージを実施した場合に算定されるものです。
トリアージとは?
大事故・災害などで同時に多数の患者が出た時に、手当ての緊急度に従って優先順をつけること。
「急な病気やケガで不安なところ、最初にすぐ看護師に見て貰えるのは安心」と
患者さんに好評です
新設から100点の点数が設定されていましたが、平成30年度の診療報酬改定で300点に引き上げられました。
患者さんの負担は3割負担の方は900円、1割負担の方は300円となります。
今回の通知で、
受診の時間帯によらず算定可能
となりましたので、平日昼間でも新型コロナウイルス感染症が疑われる患者さんが医療機関を受診した場合に、算定されることになります。
また、もともとは初診時のみ算定ですが、今回の通知にそれに関しては記載がないため、再診の患者さんに算定ができるかどうかは不明です。
続報出たら更新します。
【2020年4月15日追記】
4月14日の通知にて初診料だけでなく再診料や外来診療料を算定する場合でも算定可能と明記されました。
通知の内容はこちらをご覧ください
問5 治療のため現に通院している患者であって、新型コロナウイルス感染症を疑う症状で受診したものについて、必要な感染予防策を講じた上で、当該患者の診療を行ったときには、再診料等を算定した場合であっても、院内トリアージ実施料を算定できるか。
(答)算定できる。
本来、医療機関が院内トリアージ実施料を算定する場合、事前に厚生局に届出が必要ですが、今回の対応で新型コロナウイルス感染症が疑われる場合にのみ院内トリアージ実施料を算定する場合は、届出は不要です。
2.入院における対応について
2.入院における対応について
(1)緊急に入院を必要とする新型コロナウイルス感染症患者に対する診療を評価する観点から、新型コロナウイルス感染症患者の入院診療に当たっては、医師が診察等の結果、緊急に入院が必要であると認めた患者(入院基本料又は特定入院料のうち、救急医療管理加算を算定できるものを現に算定している患者に限る。)について、算定告示A205の1救急医療管理加算1を算定できることとすること。その際、最長14日算定できることとすること。
なお、新型コロナウイルス感染症患者については、算定告示A205救急医療管理加算の注1に規定する「緊急に入院を必要とする重症患者として入院した患者」とみなすものとすること。
また、新型コロナウイルス感染症患者に対してのみA205の1救急医療管理加算1を算定する保険医療機関については、地域における救急医療体制の計画的な整備のため、入院可能な診療応需の体制を確保しており、かつ、基本診療料の施設基準等(平成20年厚生労働省告示第62号)第八の六の二に規定する要件を満たしているものとみなすとともに、第一に規定する届出は不要とすること。
引用元:中央社会保険医療協議会 総会(第453回)資料より 一部抜粋
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00068.html
こちらは新型コロナウイルス感染症の患者さんが入院した際の取り扱いです。
新型コロナウイルス感染症の患者に対して救急医療管理加算1を特例的に14日間算定可能になります。
救急医療管理加算とは
目的は地域における救急医療体制の計画的な整備、入院可能な応需態勢を確保することです。
緊急に入院を必要とする重症患者に対して救急医療が行われた場合に、入院した日から7日間算定できます。
今回の通知では新型コロナウイルス感染症の患者については感染の疑いがある場合も含めて、緊急入院させた場合、救急医療管理加算1を14日間算定可能となります。
救急医療管理加算は令和2年度の改定で50点加点され、950点となりましたので1入院当たりだと
950点 × 14日間 = 13,300点 = 133,000円
となります。
この金額を一般の方から見ると高いと思われるかもしれません。
しかし医療関係者からみると大分点数が足りないと感じてしまいます。
なぜなら感染症の患者の対応は、マンパワーはもちろん、感染防護服など物品のコストがかなりかかります。
例えば1セット5,000円の使い捨ての防護服を3人が使ったらそれだけで1日15,000円です。
現在、新型コロナウイルス感染症の診断が確定した状態で入院した場合、保健所を通して公費で直接入院費が支払われます。
ですのでこの通知は、実質的には新型コロナウイルス感染症が疑われる患者が入院となった場合の保険点数の対応となります。
新型コロナウイルス感染症に関連する保険点数の対応はさらに追加される可能性が高いと思います。