医療 医療制度 新型コロナウイルス関連

令和2年3月25日中医協 新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の主な対応状況について

スポンサーリンク

令和2年3月25日に厚生労働省 中央社会保険医療協議会から出された新型コロナウイルス感染症に関連する医療保険制度の対応についてまとめました。

 

病棟の施設基準は当面の間は基準を満たさなくなっても届出不要

(1)医療法上の許可病床数を超過する入院の取扱い新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れたことにより医療法上の許可病床を超過する場合には、通常適用される診療報酬の減額措置を行わないこととした。

(2)施設基準を満たすことができなくなる保険医療機関の取扱い新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れたことにより、入院患者が一時的に急増等した場合や、学校等の臨時休学に伴い、看護師が自宅での子育て等を理由として勤務することが困難になった場合等においては、当面、月平均夜勤時間数については、1割以上の一時的な変動があった場合においても、変更の届出は不要とした。

(3)看護配置の変動に関する取扱い(2)と同様の場合において、看護要員の比率等に変動があった場合でも当面、変更の届出は不要とした。

(4)DPC対象病院の要件等の取扱い(2)と同様の場合において、看護要員の数等の施設基準を満たさなくなった場合については、「DPC対象病院への参加基準を満たさなくなった場合」には該当せず、届出は不要とした。

ポイント

許可病床数を超える入院、月平均夜勤時間数の超過、看護要員の不足など基準以上の変動があっても当面は許されることになりました。

 

病棟以外の場所に入院させても入院料算定可能

(5)本来の病棟でない病棟等に入院した場合の取扱い原則として、当該患者が実際に入院した病棟の入院基本料等を算定することとした。また、会議室等病棟以外の場所に入院させた場合には、必要とされる診療が行われている場合に限り、当該医療機関が届出を行っている入院基本料のうち、当該患者が本来入院すべき病棟の入院基本料を算定することとした。

 

研修医療機関において研修や評価の実施の延期を可能に

(6)研修等の取扱いについて定期的な研修や医療機関間の評価を要件としている項目の一部について、研修や評価を実施できるようになるまでの間、実施を延期することができることとした。

 

電話等での診察で慢性疾患等の定期受診患者への処方が可能に

(7)電話や情報通信機器を用いた診療等の取扱いについて慢性疾患等を有する定期受診患者等について、電話や情報通信機器を用いて診療し医薬品の処方を行い、ファクシミリ等で処方箋情報が送付される場合、電話等再診料等を算定できることとした。(外来診療料も同様の取扱い。)また、上記の場合であって、療養上必要な事項について適正な注意及び指導を行い、併せて必要かつ十分な量の衛生材料等を支給した場合に、在宅療養指導管理料等を算定できることとした。調剤報酬においては、上記の場合であって、当該処方箋情報を受け付けた保険薬局において、当該処方箋情報に基づく調剤を行った場合、調剤技術料等を算定できることとした。

ポイント

これまでは処方箋の原本がなければ調剤薬局で調剤できませんでしたが、医療機関からのFAX等での送付で調剤可能となっています。

 

(8)緊急に開設する保険医療機関の基本診療料の取扱いについて新型コロナウイルス感染症患者等を受け入れるために、緊急に開設する必要がある保険医療機関について、新たに基本診療料の届出を行う場合においては、要件審査を終えた月の診療分についても当該基本診療料を算定できることとした。

 

新型コロナウイルス感染症を入院保険診療した場合は出来高にて算定

(9)DPC/PDPSにおける取扱い令和2年3月31日までの期間において、医療資源を最も投入した病名が新型コロナウイルス感染症であった症例については、包括評価の対象外とした。

現在は基本的に公費負担での入院診療となっていますが、何らかの事情で保険診療を行った場合は包括評価外(=出来高方式)での計算となります。

関連記事
どんな治療をしても金額は一緒!?病院の入院費はどのように計算されるのか

    入院費の計算方法を知ろう ~DPC制度の基本~ DPC制度はいつから始まった? DPC制度は2003年より特定機能病院にて導入され、2006年からは一般の病院でも本格的に開 ...

続きを見る

 

新型コロナウイルスのPCR検査は保険適用に

その他
PCR検査の保険適用について新型コロナウイルス感染症の患者であることが疑われる者に対し新型コロナウイルス感染症の診断を目的として行った場合又は新型コロナウイルス感染症の治療を目的として入院している者に対し退院可能かどうかの判断を目的としたPCR検査を実施した場合に、医療保険を適用できることとした。

ポイント

これも保健所が必要と判断したものは公費負担なので該当するものはかなり少ないと思われますが、保険診療でも対応できるようになっております。

 

スポンサーリンク

-医療, 医療制度, 新型コロナウイルス関連